シャワーユニット
2025/10/30
生活を豊かにする設備として人気のシャワーユニット。「家族が増えて朝の浴室が混雑する」「在宅ワークの合間にさっと汗を流したい」「親の介護に備え寝室の近くにシャワーが欲しい」など、ニーズはさまざまです。
一方でマンションでは、「そもそも工事は可能?」「排水はどうする?」「費用感は?」「管理組合の許可は必要?」といった不安もつきものです。
本記事では、マンション特有の最大のハードルである排水問題の革新的な解決策から、リアルな費用相場、管理組合とのスムーズな調整術、そして信頼できる業者の選び方まで徹底解説します。ぜひ本記事を参考に、マンションへのシャワーユニット導入を検討してみてください。

シャワーユニットの設置は、単に水回り設備が増えるだけではありません。ここでは、シャワーユニットがもたらす具体的な3つのメリットをご紹介。あなたの生活がどのように変わるか、具体的にイメージしながら読み進めてみてください。
浴槽がないシャワーユニットは、非常にコンパクトです。そのため、一般的なユニットバスに比べて設置に必要なスペースが格段に少なくて済みます。
これまで活用しきれていなかった広めのクローゼットや寝室の隅、廊下の突き当たりといったデッドスペースが、価値ある快適空間に生まれ変わる可能性があります。都市部の限られたマンション空間を最大限に活用できるのは、大きな魅力と言えるでしょう。
日々の家事の中でも、お風呂掃除は特に大変な作業の一つです。しかし、シャワーユニットならその負担を大幅に軽減できます。
凹凸が多く面積も広い浴槽がないため、掃除する範囲がシンプルかつコンパクトになります。壁や床もフラットなデザインのものが多く、水垢やカビが発生しにくいため、簡単なお手入れで清潔な状態を保つことが可能です。これは家事の時短だけでなく、衛生的な住環境の維持にも繋がります。
シャワーユニットは、家族構成やライフスタイルの変化に柔軟に対応できる強い味方です。例えば、ご高齢の家族のために寝室の近くに設置すれば、移動の負担を減らし、安全な入浴環境を提供できます。
また、小さなお子様と一緒の慌ただしい入浴や、スポーツ後の汗を流す際にも、手軽に使えるセカンドシャワーとして大活躍します。在宅ワーカーにとっては、仕事の合間の気分転換にサッとリフレッシュできる空間にもなるでしょう。

シャワーユニット設置のメリットをお伝えしましたが、特にマンションで計画を進める際には、避けては通れない大きな課題があります。それが「排水」の問題です。
この問題を正しく理解することが、リフォーム成功への第一歩です。なぜマンションの排水工事は難しいのか、その理由とリスクを分かりやすく解説します。
水は高いところから低いところへ流れる、という自然の法則に従って排水されます。そのため、排水管にはスムーズに水を流すための「勾配(傾き)」が必要です。
マンションの排水管は、床下のコンクリートスラブに埋め込まれていたり、階下の天井裏を通っていたりするため、位置や勾配を自由に変更することは極めて困難です。新しくシャワーユニットを設置したい場所が既存の排水管から遠いと、十分な勾配を確保できず、排水が逆流したり詰まったりする原因となります。
| 課題 | 内容 | なぜ難しいのか |
|---|---|---|
| 配管の位置 | 既存の排水管(PS:パイプスペース)は建物の構造上、決まった場所にある | 共有部分であり、個人の都合で移設や増設ができないため |
| 排水勾配の確保 | 排水をスムーズに流すため、一定の傾き(例:1/50~1/100)が必要 | 設置場所が排水管から遠いと、床を高くしない限り勾配が取れない |
| 床下のスペース | マンションは床下の空間が限られていることが多い | 配管を通すための十分なスペースがなく、工事自体が物理的に不可能な場合がある |
マンションのリフォームで最も避けなければならないのが「漏水」です。万が一、シャワーユニットから水漏れが発生した場合、その被害は自分の部屋だけでは収まりません。
階下の住戸の天井や壁、家財にまで損害を与えてしまい、高額な損害賠償や住民間の深刻なトラブルに発展する可能性があります。こうしたリスクを防ぐため、床や壁への徹底した防水工事は、シャワーユニット設置における絶対条件です。信頼できる業者による確実な施工が何よりも重要になります。
マンションは区分所有者の共有財産であり、リフォームには管理組合が定めた「管理規約」というルールが存在します。特に、建物の構造や他の住戸に影響を与える可能性のある水回りの増設については、厳しい制限が設けられていることが少なくありません。
工事を始める前には、必ず管理規約を確認し、定められた手順に沿って管理組合へ計画を申請し、承認を得る必要があります。これを怠ると、工事の中止や原状回復を求められることもあるため、軽視してはいけません。
築年数が経過したマンションでは、排水管そのものが劣化している可能性があります。特に古いマンションで使われている金属製の配管は、経年により内部にサビや汚れが固着し、詰まりや漏水のリスクが高まっています。
新しいシャワーユニットを設置しても、接続先の排水管が劣化していては本末転倒です。リフォームを計画する際には、専門家による配管の現状調査を行い、必要であれば配管の交換も視野に入れることが、将来的なトラブルを防ぐ上で重要になります。
| 配管の種類(例) | 主な使用年代 | 劣化によるリスク |
|---|---|---|
| 配管用炭素鋼鋼管(SGP) | 1960~1980年代 | サビ(腐食)による詰まり、穴あき、漏水 |
| 硬質塩化ビニル管(VP/VU) | 1970年代以降 | 経年による硬化、衝撃によるひび割れ |

マンションの排水問題は、確かに大きなハードルです。しかし、現代の技術をもってすれば、乗り越えられない壁ではありません。
ここでは、困難な排水問題を解決するための具体的な2つのアプローチをご紹介します。これを読めば「うちのマンションでも実現できるかもしれない」という希望が見えてくるはずです。
最もシンプルでコストを抑えられるのが、既存の排水設備を最大限に活用する方法です。例えば、元々ユニットバスがあった場所の浴槽だけを撤去してシャワーユニットに入れ替える場合や、洗面所やトイレなど、既存の給排水管が近くにある場所に設置する場合です。
この方法なら、大掛かりな配管工事が不要なため、工期も短く、費用も比較的安価に収まります。ただし、設置場所が限定されるというデメリットがあります。
「どうしてもこの場所に設置したいのに、排水管が遠くて勾配が取れない…」といった絶望的な状況を覆す切り札が、「排水圧送ポンプ」です。この革新的な技術を使えば、これまで諦めていた場所へのシャワーユニット設置が現実のものとなります。
排水圧送ポンプは、シャワーなどから出た排水を一時的にタンクに貯め、ポンプの力で細い管を通して圧送し、既存の排水管まで強制的に流す装置です。重力に頼らず排水できるため、排水勾配を気にする必要がありません。これにより、設置場所の制約が劇的に緩和されます。
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| 設置場所の自由度向上 | 排水管から離れた場所や、床下に十分なスペースがない場所にも設置可能 |
| 工事規模の縮小 | 床を高くしたり、広範囲の床を剥がしたりする大掛かりな配管工事が不要 |
| 工期短縮・コスト削減 | 大規模な工事が不要なため、工期が短縮され、トータルコストを抑えられる |
排水圧送ポンプは、実は様々なシーンで活躍しています。
| 設置場所の課題 | 導入事例 |
|---|---|
| 地下の事務所 | 排水勾配が取れない地下空間にシャワーブースを設置し、地上の排水管まで圧送 |
| 賃貸マンション | 大規模な改修が難しい賃貸物件で、既存の洗面台の排水管に接続してシャワーを増設 |
| 店舗のテナント | 建物の構造上、排水設備のない区画に簡易的なシャワースペースを設置 |
非常に便利な排水圧送ポンプですが、導入にあたってはいくつかの注意点も理解しておく必要があります。メリットとデメリットを総合的に判断し、ご自宅の状況に最適な選択をしましょう。
| デメリット・注意点 | 対策・考慮事項 |
|---|---|
| 初期費用 | ポンプ本体の購入費用(数万円~)と設置費用が別途かかる |
| 作動音 | ポンプが作動する際にモーター音が発生する。寝室の隣など、静粛性が求められる場所への設置は慎重に検討 |
| メンテナンス | 機械であるため、定期的な点検やメンテナンスが必要。故障時の修理対応も確認しておく |

シャワーユニットの設置を具体的に考え始めると、やはり気になるのが費用です。
「一体、総額でいくらかかるのだろう?」という疑問は、計画を進める上で最も重要なポイントの一つです。ここでは、シャワーユニット設置にかかる費用の相場と、その内訳を詳しく解説します。しっかり予算を把握して、安心してリフォーム計画を立てましょう。
シャワーユニットの設置費用は、製品のグレードや工事の規模によって大きく変動します。
以下の表は、一般的な費用の目安です。実際には、現場の状況によって金額が変わるため、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。
| 項目 | 費用相場(目安) | 備考 |
|---|---|---|
| シャワーユニット本体 | 10万円~50万円 | サイズ、デザイン、機能によって価格が変動 |
| 組立・設置工事費 | 5万円~10万円 | ユニットを現場で組み立て、据え付ける費用 |
| 給排水・配管工事費 | 3万円~10万円以上 | 既存配管への接続工事。配管延長や圧送ポンプ設置の場合は追加費用が発生 |
| 電気工事費 | 2万円~7万円 | 照明や換気扇の配線工事。専用回路が必要な場合は追加費用が発生 |
| 既存設備の解体・撤去費 | 2万円~5万円 | 元々ユニットバスなどがあった場合に必要 |
| 内装工事費 | 2万円~ | 壁紙や床材の補修・張り替えが必要な場合 |
| 合計(ユニット工法) | 20万円~80万円程度 | 最も一般的な工事の場合の目安 |
見積もり金額だけで判断すると、後から「こんなはずではなかった」と追加費用に驚くことがあります。特に、以下のようなケースでは追加費用が発生しやすいため、事前に業者としっかり確認しておくことが重要です。
少しでも費用を抑えたいと考えるのは当然のことです。以下の3つのポイントを意識するだけで、賢くコストを管理することができます。

「よし、シャワーユニットを設置しよう!」と決意しても、何から手をつけて良いか分からないかもしれません。
リフォームは段取りが大切です。ここでは、計画から完成までの流れを、誰にでも分かりやすい3つのステップに分けて解説します。この手順通りに進めれば、初めてのリフォームでも安心して進められます。
まずは、理想のシャワーライフを具体的にイメージすることから始めましょう。インターネットやカタログで様々な製品を見ながら、「どんなデザインがいいか」「どんな機能が必要か」を考えます。
それと同時に、最も重要なのが「管理規約」の確認です。管理組合の事務所で閲覧したり、コピーをもらったりして、水回りリフォームに関するルールを正確に把握します。この段階で、管理組合にリフォームを検討している旨を軽く相談しておくと、後の手続きがスムーズに進むでしょう。
情報収集と規約の確認ができたら、次はリフォームのパートナーとなる業者選びです。マンションリフォームの実績が豊富な業者を2~3 社ピックアップし、見積もりを依頼します。
その際、必ず「現地調査」をしてもらいましょう。専門家が実際に設置場所や配管の状況を確認することで、実現可能性の判断や、正確な見積もりが可能になります。見積書の内容や、担当者の説明の分かりやすさ、対応の丁寧さなどを比較し、最も信頼できる1 社を選びます。
依頼する業者が決まったら、工事内容や金額、工期、保証内容などが明記された契約書を隅々まで確認し、納得した上で契約を結びます。工事が始まる前には、両隣と上下階の住戸へ、工事期間や騒音について挨拶回りをしておきましょう。こうした小さな配慮が、ご近所トラブルを防ぎます。
工事が始まったら、任せきりにするのではなく、時々現場に顔を出して進捗を確認すると安心です。全ての工事が完了したら、業者と一緒に最終チェックを行い、問題がなければ引き渡しとなります。

リフォームの成功は、製品選びと業者選びで9 割決まると言っても過言ではありません。しかし、数ある選択肢の中から最適なものを見つけ出すのは至難の業です。
ここでは、後悔しないためのメーカー選びと、信頼できる業者を見極めるための具体的なポイントを解説します。特に、他ではあまり語られない独自の情報も盛り込んでいるので、ぜひ参考にしてください。
日本の住宅事情を熟知し、品質やアフターサービスで高い信頼を得ているのが国内の主要メーカーです。
| メーカー | 代表的なシリーズ | 特徴 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|
| TOTO | シャワーユニット JSシリーズ | ・床が乾きやすい「カラリ床」が人気 ・ユニバーサルデザインに配慮した設計 | 掃除のしやすさや、高齢者・子供の安全性を重視する人 |
| LIXIL | シャワーユニット SPシリーズ | ・デザインのバリエーションが豊富 ・汚れが付きにくいドアなど清掃性が高い | インテリアとの調和や、おしゃれな空間を演出したい人 |
| パナソニック | シャワー&パウダーⅡ | ・美容や健康をサポートする機能が充実 ・照明や換気設備にもこだわり | デザイン性だけでなく、リラックス効果や機能性を求める人 |
「国内メーカーは安心だけど、もう少しデザインにこだわりたい」「価格を抑えつつ、おしゃれな空間を実現したい」そんな方におすすめしたいのが、MKクリエーションという選択肢です。中間業者を介さず、自社で企画・開発から輸入・販売までを一貫して行うことで、高いデザイン性と驚きのコストパフォーマンスを両立させています。
最後に、最も重要な業者選びのチェックリストです。以下のポイントを参考に、あなたのリフォームを安心して任せられるパートナーを見つけてください。
| チェック項目 | なぜ重要か? | 確認方法 |
|---|---|---|
| 1. マンションリフォームの実績は豊富か? | マンション特有の構造や規約、近隣への配慮などを熟知しているため、トラブルが少なくスムーズに工事が進む。 | 会社のウェブサイトで施工事例を確認する。担当者に直接、過去のマンションでの施工経験を質問する。 |
| 2. 排水圧送ポンプなど特殊工事に対応できるか? | 難しい条件でも設置を可能にする技術力と提案力がある証拠。排水問題で諦める前に、解決策を提示してくれる。 | 現地調査の際に「排水管から遠い場所への設置」を相談し、具体的な提案や施工方法の説明を求める。 |
| 3. 見積書の内容は詳細で明確か? | 「工事一式」といった曖昧な記載ではなく、項目ごとに単価や数量が明記されている業者は信頼できる。後々の追加請求トラブルを防げる。 | 見積書の項目に不明な点があれば、納得できるまで質問する。誠実に答えてくれるかどうかも判断材料になる。 |

今回は、マンションへのシャワーユニット設置について、最大の難関である「排水」問題の解決策から、費用、計画の進め方、業者選びまでを網羅的に解説しました。多くの制約があるマンションリフォームですが、正しい知識を持ち、信頼できるパートナーを選べば、理想のシャワールームを実現することは決して夢ではありません。
最後に、成功のための最も重要なポイントを振り返りましょう。
MKクリエーションでは、専門スタッフがお客様のニーズのヒアリングからご提案、販売、アフターサポートまで丁寧に対応いたします。「自分の住んでいるところでも設置できるの?」など、設置することが決まっていない段階でのご相談も大歓迎です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。