シャワーユニット
2026/09/03
ガラス張りのシャワーユニットというと、ホテルなどで見かける設備を思い浮かべる方も多いかもしれません。
実は、海外で使われている一般的なシャワーユニットと、日本の住宅の居室に設置するシャワーユニットでは、求められる条件が大きく異なります。特に問題になるのが「水漏れ」です。
エム・ケークリエーションがシャワーユニットの開発に取り組み始めたのは、今から20年近く前。お客様から寄せられていた「居室にも安心して置けるシャワーがほしい」という声がきっかけでした。
今回は、現在の製品につながる防水構造がどのように生まれたのか、開発担当者に話を聞きました。
――そもそも、なぜ水漏れ対策に取り組むことになったのでしょうか?
開発担当者:
もともと市場にあるガラス張りのシャワーユニットって、海外のホテルにあるような、防水された場所に置く製品なんです。床が濡れても問題ないタイル張りの場所に、ガラスのパーテーションのようにして使う。それがもともとの使い方なんですよ。

ところが、日本では寝室をはじめとした、防水されていない居室への設置を求められるケースがあります。そこで問題になったのが、ガラスやフレームなどの接合部分からの水漏れでした。
当時は、こうした接合部分をコーキング材で塞ぐ方法が一般的でしたが、コーキングは経年劣化などによって切れることがあります。
開発担当者:
当時は、“使えなくはない”状態で置いていた方も多かったんです。でも、コーキングが切れると、そこから水が漏れてしまう。防水されていない部屋に置く以上、そこはどうしても解決しなければならない問題でした。
それなら、普通の居室や寝室の片隅に置いても安心して使えるものを作れないか。それが開発のスタートでした。
なかでも開発チームを悩ませたのが、シャワーユニットを構成するフレーム部分からの水漏れでした。
開発担当者:
これまでの製品は、柱のどこかから漏れるんですよ。4本なり6本なり立っている柱の、上なのか、真ん中なのか、下なのか、どこから漏れているか分からない。ただ、気づくと下に水が溜まっている、ということがありました。
水が出てきた場所だけを塞いでも、根本的な解決にはなりません。
そこでエム・ケークリエーションでは、フレームそのものを自社で製作。ガラスとの接合部分には防水性の高いブチルテープを密着させ、さらにビスで固定する構造を採用しました。

水漏れが起きてから対処するのではなく、水が入りにくい接合構造そのものを作る。現在のシャワーユニットにつながる防水構造は、こうした試行錯誤から生まれました。
――現在の形になるまで、どのくらいかかったのでしょうか?
開発担当者:
かかりましたね。どの方法がいいのか模索しながら進めて、完成まで大体2年くらいはかかったと思います。もう20年近く前の話ですけどね。
時間がかかった理由は、水漏れだけを解決すればよかったわけではないからです。
日本の住宅に設置する以上、限られたスペースに収まるサイズであることや、間取りに合わせて扉の開き方を変えられること、設置後のメンテナンスがしやすいことなど、ほかにも考えなければならないことがありました。さらに、機能を増やすだけでは製品価格も上がってしまいます。
開発担当者:
水漏れだけじゃなくて、日本の狭い住宅事情に合わせて、なるべく狭い場所でも使えるようにするとか、ドアを内開き・外開きのどちらにもできるようにするとか。そういう課題を全部合わせて考えなきゃいけなかったので、本当に大変でした。
ひとつの問題を解決すると、別の条件との兼ね合いが出てくる。
水漏れを防ぐことを前提にしながら、日本の住宅に設置しやすいサイズや構造、使い勝手、価格まで含めて調整を重ね、現在の製品へとつながっていきました。
シャワーユニットは、完成した姿だけを見ればシンプルな設備に見えるかもしれません。けれど、その裏側にあったのは「水を扱う設備を、防水されていない普通の部屋に置く」という難題でした。
エム・ケークリエーションが目指したのは、なんとか設置できる製品ではなく、居室でも長く安心して使える製品。約2年間の試行錯誤は、その“当たり前”を実現するための時間だったのです。
部屋へのシャワーユニット設置を検討しているものの、水漏れや設置条件に不安がある場合は、間取りや設置環境が決まった段階で一度ご相談ください。